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2026.09.16

訪日客4,268万人、消費額9.5兆円――「人数」から「地域に残る価値」へ、ガイアグループが考える次のインバウンド

2025年の訪日外国人旅行者数は約4,268万人、訪日外国人旅行消費額は約9.5兆円となり、いずれも過去最高を更新しました。

日本は外国人観光客の受け入れ数で世界第7位、アジアでは第1位となり、観光は自動車産業に次ぐ国内第2位の輸出分野に成長したと報告されています。

これは、日本の観光産業にとって大きな成果です。

一方で、これからの観光政策には、訪日客数を増やすだけでなく、旅行消費を地方へ広げ、地域住民の暮らしと両立させながら、地域に持続的な価値を残すことが求められています。

トラベルビジョンの記事で紹介された「第29回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」の内容をもとに、ガイアグループが考える、これからのインバウンドと地域づくりについてご紹介します。

2030年、訪日客6,000万人・消費額15兆円へ

2026年3月に閣議決定された第5次観光立国推進基本計画では、2030年に向けて、次の目標が掲げられています。

  • 訪日外国人旅行者数:6,000万人
  • うちリピーター:4,000万人
  • 訪日外国人旅行消費額:15兆円
  • 旅行消費額単価:1人当たり25万円
  • 地方部における外国人延べ宿泊者数:1億3,000万人泊

今回の計画で重要なのは、人数だけを追うものではないという点です。

旅行消費額を高めること、訪問先を地方へ分散させること、そして観光の成長と地域住民の生活の質を両立させることが、明確に重視されています。

訪日客が増えても、一部の都市や有名観光地だけに需要が集中し、地域に十分な利益が残らなければ、持続可能な観光にはつながりません。

旅行者が地域に滞在し、地域の食を味わい、文化や自然を体験し、人々と交流する。その消費や出会いが地域の雇用、事業、空き家再生、産業の継承へつながる仕組みをつくることが、次の段階では不可欠です。

欧米豪市場と家族旅行の拡大

記事では、米国、カナダ、オーストラリア、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインの欧米豪8カ国からの訪日客が、2015年の245万人から2025年には703万人へ、約3倍に拡大したことも紹介されています。

また、子どもと一緒に日本を訪れる家族旅行が増加し、10代の訪日客数は10年間で約4倍になったとされています。

この変化は、宿泊施設に求められる役割にも影響します。

家族や複数世代での旅行では、人数に対応できる広さ、キッチンや洗濯設備、プライベートな空間、長期滞在のしやすさなどが重要になります。

一棟貸切を中心とするGAIA Resortは、ご家族やグループが一緒に過ごせることに加え、一般的なホテル滞在とは異なる「地域で暮らすような宿泊体験」を提供しています。

朝は地域の風景の中で目覚め、地元の食材を楽しみ、温泉に入り、町を歩き、人と出会う。

建物の中だけで完結するのではなく、地域全体を滞在の舞台にすることが、地方を訪れる旅行者に新しい価値を届けます。

リピーターは、テーマを持って地方を巡る

台湾やシンガポールなど、訪日旅行のリピーターが多い市場では、東京や大阪、京都といった主要都市から、青森や鹿児島など、より地方へ足を延ばす動きが見られます。

なかには47都道府県すべてを訪れた旅行者もいるとされ、スキーやサイクリングなど、自分の関心を軸に地域を巡る旅行も増えています。

地方誘客には、「有名だから訪れる」という理由だけでなく、その土地ならではのテーマが必要です。

宮城県南部には、蔵王連峰、遠刈田温泉、歴史ある城下町や蔵の町並み、農業、食文化、伝統、モータースポーツ、自然体験など、多様な地域資源があります。

ガイアグループは、蔵王町を中心に、白石市、村田町、川崎町、丸森町、仙台市、仙台港エリアなどをGAIA Resortのネットワークで結んでいます。

一つの宿泊施設だけを目的地とするのではなく、地域ごとの物語と体験をつなぎ、宮城県内を周遊していただく。

この「点ではなく面」で地域を結ぶ仕組みは、リピーターや個人旅行者が求める、テーマのある地方旅行にもつながります。

地方誘客の課題は、予約できる商品にすること

地域には魅力的な景観、食、文化、人、体験があっても、それだけで海外から旅行者が訪れるわけではありません。

情報が外国語で分かりやすく発信され、宿泊や体験として予約でき、現地で受け入れられる状態になって初めて、観光商品として海外市場に流通します。

フォーラムでは、海外の旅行会社が日本のDMCと接点を持ちにくいという課題や、自治体が単独で地域をPRするよりも、自治体とDMCが一体となって地域の魅力と手配機能を提示する方が、具体的な相談につながりやすいことも示されました。

地方に必要なのは、PRだけではありません。

宿泊、移動、食、体験、人材、通訳、予約、決済、トラブル対応などを地域の中でつなぎ、旅行者が実際に利用できる形にする運営力です。

ガイアグループでは、ガイアプランニング、ガイアディベロップメント、ガイアエステート、ガイアリゾート、ガイアフーズの各事業部が連携しています。

空き家や別荘を見つけ、再生し、宿泊施設として整え、国内外へ販売し、地域の食や体験と結ぶ。

さらに、移住支援、農業、医療、福祉、雇用、防災、地域交流までを一つの理念でつなぐことで、旅行者を受け入れる地域そのものの力を高めています。

OTAを活用し、個人旅行者へ地域体験を届ける

今後も増加が見込まれるFIT、つまり個人旅行者に地域の体験を届けるためには、OTAなどを通じて予約可能な商品として流通させることが重要です。

個人旅行では、いつ、どの国から、何人の旅行者が訪れるのかを正確に予測することが難しく、地域側には柔軟な受け入れ体制が求められます。

GAIA Resortでは、自社サイトに加え、国内外のOTAを活用し、多様な宿泊施設を旅行者へ届けています。

一棟ごとに規模、立地、歴史、設備、利用目的が異なる分散型宿泊施設だからこそ、旅行者は家族旅行、長期滞在、温泉、自然、歴史、地域文化など、それぞれの目的に合った滞在を選ぶことができます。

大規模な宿泊施設へ旅行者を集中させるのではなく、既存の住宅や別荘、歴史的建築物を生かしながら地域内に滞在を分散させることは、空き家の再生と地方への宿泊需要の分散を同時に実現する方法でもあります。

生成AI時代には「信頼できる独自情報」が必要

今回のフォーラムでは、旅行者が情報収集や旅行計画に生成AIを利用する動きが急速に進んでいることも取り上げられました。

今後は、検索結果だけでなく、生成AIから提示された情報をもとに、旅行先や宿泊施設を選ぶ人がさらに増えていくと考えられます。

そのとき重要になるのが、有用性、信頼性、独自性のある情報です。

施設名や料金だけを掲載するのではなく、その建物にはどのような歴史があるのか、地域の中でどのような役割を担っているのか、周辺でどのような体験ができるのか、どのような人が関わっているのかを、正確に発信する必要があります。

ガイアグループが公式ブログやGAIA Resort公式サイトで発信を続けているのも、施設の販売だけが目的ではありません。

建物の再生過程、地域の歴史、食や農業、働く人々、移住者との交流、福祉や防災の取り組みまで紹介し、その場所に泊まる意味を伝えるためです。

一つひとつの地域の物語を、正確で信頼できる情報として日本語と外国語で蓄積することは、生成AI時代の観光における重要な地域基盤になります。

旅行者を「一時的な住民」として迎える

ガイアグループが蔵王で推進するオスピタリタ・ディフーザでは、旅行者を単なる一時的な消費者ではなく、滞在期間中に地域の暮らしへ参加する「一時的な住民」として迎えます。

蔵王山水苑を中心とする地域では、温泉を観光資源としてだけではなく、地域住民、別荘利用者、移住者、旅行者の暮らしを支える生活基盤として捉えています。

宿泊、温泉、飲食、農業、移住、医療、福祉、雇用、防災、交流を「蔵王福祉の森構想」の理念で結び、訪れる人にも暮らす人にも持続可能な地域をつくることが、ガイアグループの目指す姿です。

訪日客数が増加するほど、観光と住民生活を分けて考えるのではなく、両者をどのように調和させるかが重要になります。

旅行者による消費が地域の事業や雇用を支え、再生された空き家が宿泊や移住の受け皿となり、地域の飲食店や農業、文化に新しい需要が生まれる。

同時に、観光によって整備されたサービスや交流拠点が、地域住民の生活の質を高める。

その循環をつくることが、「人数」だけでは測れない観光の本当の価値です。

目指すのは、地域に笑顔と価値が残る観光

訪日客4,268万人、旅行消費額9.5兆円という数字は、日本の観光産業が新しい段階へ進んだことを示しています。

しかし、大切なのは数字の大きさだけではありません。

旅行者が地域を深く知り、再び訪れたいと思うこと。

地域で働く人に誇りと仕事が生まれること。

使われなくなった建物が再生されること。

地域の文化や産業が次の世代へ受け継がれること。

そして、観光によって地域で暮らす人々の生活がより豊かになること。

ガイアグループは宿泊業だけでも、不動産業だけでも、飲食業だけでも、建設業だけでもありません。

それぞれの事業を一つの理念で運営し、社会課題をビジネスの力で解決し、地域を持続可能な形へ導くソーシャルディベロッパーです。

2030年に向けて訪日旅行市場がさらに成長するなか、私たちは、旅行者の人数を増やすことだけを目的とせず、地域に新しい関係、仕事、投資、役割、そして多くの笑顔が残る観光をつくってまいります。

関連リンク

トラベルビジョン「訪日客4268万人、消費額9.5兆円で過去最高——JNTOインバウンド旅行振興フォーラムより」
https://www.travelvision.jp/news/detail/news-124178

日本政府観光局(JNTO)
https://www.jnto.go.jp/

観光庁
https://www.mlit.go.jp/kankocho/

ガイアリゾート公式サイト
https://gaia-resort.net/

株式会社ガイア公式サイト
https://www.nszao.co.jp/

蔵王福祉の森構想
https://zao-fukusi.jp/