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2026.10.26

観光を、地域の暮らしと未来を支える力へ

「地域未来戦略」と、ガイアグループが進める地域共生型のまちづくり

観光で地域を訪れる人が増える。そのにぎわいを、地域の仕事や暮らしの安心、次の世代へ引き継ぐ価値につなげていく。

私たちガイアグループが目指しているのは、宿泊施設だけで完結する観光ではなく、訪れる人と暮らす人の双方にとって、豊かさが生まれる地域づくりです。

2026年10月26日付の観光経済新聞は、高市早苗首相が同月16日の参議院予算委員会で、観光を「地域未来戦略」で支援し、第5次観光立国推進基本計画に基づく施策を着実に進める方針を示したと報じました。地方への誘客と地域経済の活性化を重視する政策の方向性が、改めて示されています。

今回は、この国の観光政策の動きとともに、ガイアグループが蔵王を中心に実践してきた、観光・福祉・農業・食・不動産をつなぐ取り組みをご紹介します。

観光の成長を、地域で暮らす人の豊かさへ

2026年3月27日に閣議決定された第5次観光立国推進基本計画は、2026年度から2030年度までの5年間を対象としています。地方誘客や消費額の拡大に加え、訪日旅行者の受け入れと住民生活の質の確保を両立させること、観光と交通・まちづくりとの連携を強めることなどが掲げられています。

また、「地域未来戦略」では、地域資源を活用する観光業なども「地場産業成長プラン」の対象として位置付けられています。地域の特色を生かし、地域外からの需要を取り込みながら、地元の取引や雇用につなげていく考え方です。

私たちは、この方向性を、単に観光客の数を増やすためのものではなく、観光によって生まれる価値を、地域の暮らしへ届けるための取り組みとして受け止めています。

旅行者が増えても、地域のお店や生産者、働く人々にその恩恵が届かなければ、持続可能な地域づくりにはつながりません。だからこそ、宿泊、食事、買い物、体験、雇用を、一つの地域の中で結びつけることが重要だと考えています。

原点にある「蔵王福祉の森構想」

ガイアグループの地域づくりの原点にあるのが、「蔵王福祉の森構想」です。

誰もが安心して暮らせること。そして、年齢や障がいの有無にかかわらず、それぞれが地域の中で役割を持てること。その実現に向け、子ども食堂、高齢者の見守り、農福連携、住まいの再生、移住・二地域居住支援などを、一つの理念のもとで結びつけています。

私たちにとって、観光は地域づくりから切り離された事業ではありません。

訪れる人が地域の食や文化を楽しむことが、生産者や商店を支える。宿泊施設の運営が、地域で働く機会を生み出す。その積み重ねが、暮らし続けられる地域の基盤になる。

観光の成長と、地域福祉の充実を別々に考えないこと。
そこに、ガイアグループの取り組みの大切な特徴があります。

空き家や別荘を再生し、地域に新しい役割を生み出す

ガイアリゾートでは、使われなくなった別荘や空き家などを宿泊施設として再生し、地域資源を生かした滞在を提供しています。また、宿泊施設の清掃・管理などを、地域の方々や福祉施設との連携による仕事につなげています。

新しい観光施設を建設することだけが、地域の可能性を広げる方法ではありません。

すでにある建物に新しい役割を与え、適切に管理し、訪れる人を迎える。そのために必要な仕事を、地域の人々とともに担っていく。

空き家を活用することと、雇用を生み出すこと。そして、旅行者にその土地ならではの滞在を楽しんでいただくことを、別々の課題ではなく、一つの仕組みとして考えています。

地域全体で旅行者を迎える「オスピタリタ・ディフーザ」

こうした取り組みを支える考え方の一つが、イタリア発祥の「アルベルゴ・ディフーゾ」です。地域に点在する建物やサービスをつなぎ、まち全体を一つのホテルのように捉える分散型の宿泊モデルで、ガイアグループもその考え方を取り入れてきました。

さらに、ガイアリゾート蔵王山水苑は、アルベルゴ・ディフーゾ・インターナショナルから、世界初の「オスピタリタ・ディフーザ」の認証を受けています。この認証取得は、2025年6月16日に宮城県からも発表されました。

蔵王では、温泉を暮らしと滞在の基盤に据え、宿泊、飲食、商業、農業、福祉、医療などを結びつける取り組みとして展開しています。

旅行者を、宿の中だけで過ごすお客様として迎えるのではなく、その地域の暮らしに触れる「一時的な住民」としてお迎えする。

地域のお店で食事をし、農産物を買い、人と出会う。そんな滞在を通じて、旅の楽しさと地域への貢献が自然につながることを目指しています。

食事や買い物を、地域経済の循環につなげる

地域への誘客を、地域の売上や仕事につなげるためには、宿泊の先にある食事や買い物の機会も大切です。

ガイアフーズでは、「さかい珈琲 蔵王山水苑前店」の運営や、「蔵王夢づくりの会」と連携した農産物直売所の取り組みなどを通じて、地域の食材と、それを楽しむ人々をつないでいます。

また、ガイアグループによる「ファミリーマート蔵王遠刈田店」の運営も、地域住民と旅行者の双方に必要な、食品や日用品を購入できる場所を守り、育てる取り組みです。

地域でつくられたものを、地域で提供する。宿泊者が地域のお店を訪れ、そこでの買い物や食事が、次の仕入れや仕事につながる。

私たちが大切にしているのは、ガイアグループの施設だけに人を集めることではありません。周辺の商店や飲食店、生産者、さまざまな事業者の皆様とともに、地域全体に滞在の価値が広がる関係を育てることです。

「訪れて終わり」ではない、地域との関係づくり

旅行で訪れた地域を好きになる。もう一度訪れ、少し長く滞在してみる。その先に、二地域居住や移住という選択肢が生まれることもあります。

ガイアグループでは、宿泊だけでなく、地域での暮らしを体験する機会や移住に関する情報発信にも取り組んでいます。

蔵王町には、町がみやぎ蔵王別荘協議会に委託して運営する「蔵王移住相談室」もあり、移住を希望する方への情報提供や提案・紹介を行っています。

観光を、一度の来訪で完結するものにしない。何度も通い、地域のお店を応援し、人とのつながりを育てる入口にする。

定住する人だけでなく、さまざまな形で地域と関わる人を増やすことも、私たちが大切にしたい地域づくりの視点です。

住民の暮らしを守ることが、観光の持続性につながる

地方への誘客を進めるうえで、忘れてはならないのが、そこに暮らしている人々の存在です。第5次観光立国推進基本計画でも、戦略的な誘客と住民生活の質の確保の両立が、基本的な方針の一つとされています。

旅行者に楽しんでいただくことと、住民が静かに安心して暮らせること。その両方を大切にしなければ、地域に根ざした観光は続きません。

ごみや騒音への配慮、地域のルールの共有、移動や買い物の利便性、自然環境や景観への気配り。こうした日常の課題に丁寧に向き合うことも、観光地域づくりの重要な仕事だと考えています。

「訪れてよかった」と思える地域であると同時に、「ここで暮らしていてよかった」と思える地域へ。

その両立を、私たちは目指していきます。

蔵王から、地域が主役となる未来へ

国の政策が、地方誘客と強い地域経済の構築を重視する今、私たちは、地域の現場で何を実践できるかを大切にしてまいります。

空き家や遊休不動産を生かす。地域の食や温泉、文化を滞在の魅力につなげる。多様な人が仕事や役割を持てる機会を広げる。そして、観光によって生まれる価値を、地域の暮らしへ還元していく。

私たちが目指すのは、蔵王での取り組みをそのまま他の地域に当てはめることではありません。それぞれの地域にある資源と、そこに暮らす人々の思いを大切にしながら、その地域に合った仕組みを、ともにつくっていくことです。

今ある資源を生かし、人と仕事をつなぎ、地域の未来へ。

ガイアグループはこれからも、「蔵王福祉の森構想」を原点に、地域の皆様、自治体、事業者、生産者、医療・福祉関係者など、多様な皆様との連携を大切にしながら、観光と暮らしが支え合う持続可能な地域づくりを進めてまいります。

※本記事は2026年10月26日時点の政策情報と当社の取り組みを紹介するものです。特定の補助制度への採択や、当社への支援決定をお知らせするものではありません。