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2026.09.03

観光は、地域に新たな仕事と役割を生み出す――雇用の広がりから考える持続可能な地域づくり

総務省が公表した2026年6月の労働力調査によると、「宿泊業、飲食サービス業」の就業者数は420万人となり、前月から2万人増加しました。コロナ禍前の2019年6月と比較しても、13万人多い水準です。

同月の就業者数全体は、前年同月比17万人増の6890万人でした。関連する業種では、「生活関連サービス業、娯楽業」が前年同月と同じ229万人、「運輸業、郵便業」が2万人増の350万人、「サービス業(他に分類されないもの)」が2万人減の481万人となっています。

「宿泊業、飲食サービス業」という産業分類が、そのまま観光産業全体を示すものではありません。しかし、旅行者の宿泊や飲食を直接支える仕事が多く含まれており、観光需要と地域雇用の関係を考えるうえで重要な指標です。

観光が生み出すのは、宿泊施設の仕事だけではありません

観光が地域にもたらす効果は、旅行消費や宿泊者数の増加だけではありません。

旅行者が地域を訪れれば、宿泊施設では清掃、接客、予約管理、施設管理などの仕事が生まれます。飲食店では調理や接客が必要となり、地域の食材を供給する農林漁業者や食品事業者にも新たな需要が広がります。

さらに、交通、建設、不動産、物販、温泉管理、環境整備、観光案内、情報発信、福祉、防災など、地域での滞在を支える幅広い分野に仕事と役割が生まれます。

観光は一つの産業として単独で存在するのではなく、地域のさまざまな事業を結び、人と資金の循環を生み出す力を持っています。

特に人口減少が進む地域において、新たな仕事が生まれることは、若い世代が地域に残る選択肢を増やし、移住や二地域居住を考える人を迎える基盤にもなります。

ガイアグループでも雇用が広がっています

ガイアグループにおいても、事業と拠点の拡大に伴い、働く仲間の数が増えています。

ガイアリゾートの宿泊施設だけでなく、施設の清掃や維持管理、飲食、不動産、建設、農業、地域交流、福祉との連携など、それぞれ異なる分野で新たな仕事が生まれています。

2026年9月には「ざおう食堂」が開業し、「ファミリーマート蔵王遠刈田店」もリニューアルオープンします。遠刈田温泉街では「ガイアリゾート Terminal ai」の整備も進めています。

仙台港エリアのシーサイドガイアリゾートをはじめ、宮城県内外に広がるガイアリゾートの各拠点でも、宿泊者を迎える業務に加え、地域の暮らしと滞在を支えるさまざまな仕事が必要とされています。

新しい施設をつくることは、新しい建物や店舗を増やすことだけではありません。そこで働く人を増やし、一人ひとりが能力や経験を生かせる役割を地域の中につくることでもあります。

一人ひとりに合った仕事を、地域全体でつくる

地域では、年間を通じて一つの事業だけで安定した雇用を維持することが難しい場合があります。

観光には繁忙期と閑散期があり、農業にも季節ごとの仕事があります。飲食、宿泊、施設管理、除雪、環境整備なども、時期によって必要となる人材が変化します。

そこで重要になるのが、地域にある複数の仕事を組み合わせる考え方です。

蔵王福祉の森事業協同組合では、複数の地域事業者が連携し、季節や事業の状況に応じて仕事を組み合わせる「マルチワーク」の仕組みづくりを進めています。

宿泊施設の運営、農作業、飲食店の支援、施設管理、地域イベントなどを結ぶことで、働く人にとって安定した雇用をつくり、地域事業者にとっても必要な人材を地域全体で支えることができます。

高齢者、障害のある方、子育て中の方、移住者、若者など、それぞれの生活や特性に合った仕事を生み出すことも大切です。

誰もが同じ働き方を求められるのではなく、一人ひとりが自分に合った形で地域に関わり、役割を持てる社会をつくる。それが、ガイアグループが進める「蔵王福祉の森構想」の理念です。

観光と地域の暮らしを切り離さない

観光客が増えても、地域住民の暮らしが豊かにならなければ、持続可能な地域づくりとはいえません。

ガイアグループが蔵王で進める温泉を基盤としたオスピタリタ・ディフーザは、点在する宿泊施設だけを結ぶ仕組みではありません。

蔵王山水苑、京急エコーランド、遠刈田温泉街、周辺に点在するガイアリゾートを、温泉、飲食、農業、福祉、医療、移住、雇用、地域交流などと結び、地域全体で暮らす人、働く人、訪れる人を迎える取り組みです。

旅行者のために整備されたサービスが地域住民の暮らしにも役立ち、地域住民のために守られてきた生活基盤が旅行者の安心した滞在を支える。その関係をつくることが、観光と暮らしを両立させる地域づくりにつながります。

雇用の増加を、地域の持続可能性へ

観光によって生まれた仕事が地域の所得となり、その所得が地域の店舗やサービスで使われ、さらに新しい事業と雇用を生み出す。

この循環が育つことで、観光は一時的な集客施策ではなく、地域の暮らしと経済を支える持続的な産業になります。

ガイアグループは、宿泊業だけの企業ではありません。

不動産、建設、宿泊、飲食、農業をはじめ、医療法人や社会福祉法人との連携など、地域に必要なさまざまな機能を一つの理念で結び、社会課題をビジネスの力で解決するソーシャルディベロッパーです。

私たちが目指しているのは、施設数や宿泊者数を増やすことだけではありません。

地域に仕事をつくり、働く人を育て、誰もが地域の中で役割を持ち、安心して暮らせる環境をつくること。そして、観光によって生まれた成果を地域全体へ循環させ、持続可能な成長と成熟へつなげていくことです。

ガイアグループはこれからも、地域の皆さま、事業者の皆さま、行政や教育機関、福祉・医療関係者の皆さまと連携しながら、観光を新たな雇用と多様な役割へ結びつけてまいります。

関連リンク

総務省統計局「労働力調査」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/

株式会社ガイア公式サイト
https://www.nszao.co.jp/

蔵王福祉の森構想
https://zao-fukusi.jp/

ガイアリゾート公式サイト
https://gaia-resort.net/