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詳細自然を守ることが、地域の未来をつくる。
JTB・WWFジャパンの新たな取り組みと、ガイアグループが蔵王で約20年にわたり実践してきた「地域共生型観光」の可能性
いま、世界の観光が「自然との共生」へ動き始めている
2026年10月、株式会社JTBと公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が、生物多様性の保全に向けた協働を開始したことが報じられました。
両者が目指すのは、自然体験と環境保全を両立させる「保全型エコツーリズム」のモデル構築です。
沖縄県の西表島など、希少な生態系が残る地域を対象に、企業向け研修ツアーの企画や、観光客に対する環境配慮の啓発などを進めていくとされています。
観光によって自然を消費するのではなく、自然の価値を理解し、守り、次の世代へつないでいく。
観光産業のあり方そのものが、持続可能性を重視する方向へと変化しつつあります。
私たちガイアグループは、この動きを大きな関心をもって受け止めています。
なぜなら、その根底にある考え方は、私たちが約20年前から宮城県蔵王町で取り組んできた地域づくりの理念と、多くの部分で重なっているからです。

約20年前、蔵王で始まった「蔵王福祉の森構想」
ガイアグループの地域づくりは、観光事業から始まったわけではありません。
その原点は、宮城県蔵王町の別荘地「蔵王山水苑」の再生にあります。
かつて多くの人々でにぎわった別荘地も、時代の変化とともに建物の老朽化や利用者の減少、高齢化などの課題に直面していました。
そこで私たちが向き合ったのは、単に不動産の価値を回復させることではありませんでした。
「この地域で暮らす人々が、将来にわたって安心して生活できるまちをつくるには、どうすればよいのか」
地域住民の皆さまとの対話を重ねる中から生まれたのが、**「蔵王福祉の森構想」**です。
その理念は、次の二つの考え方を大切にしています。
一つは、母なる農村を守りながら、高齢者も若者も、障害のある人もない人も、誰もが安心して暮らせるまちを目指すこと。
もう一つは、誰もがその人にふさわしい役割を持ち、地域社会の一員として参加できるまちを目指すこと。
自然を守ること。
人が安心して暮らせること。
そして、一人ひとりが地域の中で役割を持てること。
この三つを切り離さず、一体のものとして考えることが、私たちの地域づくりの出発点でした。

空き家を地域の資源に変え、福祉と観光をつなぐ
私たちは、使われなくなった別荘や遊休不動産を、地域に必要な施設として再生する取り組みを進めてきました。
高齢者福祉施設や医療・介護の拠点として活用することで、地域の暮らしを支える仕組みを整備し、新たな雇用も生み出してきました。
さらに、使われなくなった別荘を宿泊施設として活用することで、地域に新しい人の流れをつくってきました。
現在の「ガイアリゾート」は、こうした取り組みの延長線上にあります。
宿泊客が増えれば、地域の飲食店や商店を利用する機会が増えます。
宿泊施設の清掃や管理には、地域の人々が参加できます。
農業や福祉の現場で生まれた商品を、訪れる旅行者に届けることもできます。
観光を単独の産業として考えるのではなく、福祉、農業、商業、不動産、雇用、そして地域の暮らしをつなぐ仕組みとして育ててきたのです。
地域全体を一つのリゾートにする「オスピタリタ・ディフーザ」
こうしたガイアグループの取り組みは、イタリア発祥の分散型宿泊モデル「アルベルゴ・ディフーゾ」の考え方とも重なります。
アルベルゴ・ディフーゾは、地域に点在する宿泊施設や飲食店、商店などを結び、地域全体を一つのホテルのように機能させる仕組みです。
ガイアグループは、さらに福祉や地域住民の暮らしとの連携を含む、より広い地域共生の取り組みとして評価され、「オスピタリタ・ディフーザ(Ospitalità Diffusa)」の国際的な認証を受けています。
私たちが目指してきたのは、旅行者を一つの宿泊施設の中に囲い込む観光ではありません。
宿に泊まり、地域の飲食店で食事を楽しみ、商店を訪れ、自然に触れ、地域の人々と交流する。
旅行者が一時的な地域住民のように滞在し、その消費や交流が地域全体に広がっていく。
いわば、「暮らすように泊まる」ことで、地域全体が豊かになる観光です。

自然環境の保全と、地域社会の持続可能性は一つの課題
今回、JTBとWWFジャパンが打ち出した「保全型エコツーリズム」は、観光の価値を自然環境の保全と結びつけようとする取り組みです。
私たちも、蔵王の豊かな森林、清流、温泉、農村景観を、地域の未来に欠かせない資源と考えています。
ただし、自然環境を守ることだけで、地域が持続可能になるわけではありません。
そこに暮らす人々の生活が成り立ち、働く場所があり、次の世代が地域に希望を持てることも必要です。
一方で、観光による経済効果を優先するあまり、自然環境や住民の暮らしに過度な負担をかけてしまっては、本当の意味で持続可能な観光とはいえません。
自然環境の保全と、地域社会の持続可能性。
この二つを同時に実現していくことこそ、これからの観光と地域づくりに求められる重要な視点ではないでしょうか。
ガイアグループは、蔵王福祉の森構想の理念を基盤に、地域の自然と人々の暮らしを大切にしながら、観光を通じて地域の価値を高める取り組みを続けていきたいと考えています。
企業研修や体験型観光へ。蔵王から広がる新しい可能性
JTBとWWFジャパンの取り組みで、私たちが特に注目しているのが、「保全型エコツーリズム」を企業向け研修ツアーとして展開しようとしている点です。
企業が持続可能性や生物多様性について学ぶとき、会議室で知識を得るだけでなく、地域の現場を訪れ、自然や人々の暮らしに触れることには大きな意味があります。
蔵王には、その学びにつながる多様な地域資源があります。
豊かな森林や温泉、農業、地域の食文化。
遊休不動産を再生した宿泊施設。
高齢者や障害のある人々も地域の担い手として参加する福祉と雇用の仕組み。
そして、地域全体を一つのリゾートとして活用する分散型宿泊の実践。
こうした取り組みを組み合わせることで、自然環境と地域社会の持続可能性を一体的に学ぶ、企業研修や視察、体験型観光の可能性が広がると考えています。
例えば、地域の自然環境を学ぶフィールドワークと、空き家再生や地域福祉の現場を訪れる視察を組み合わせる。
地域の食材や文化を体験しながら、観光による経済循環について考える。
あるいは、企業の皆さまと地域住民が対話し、持続可能な地域づくりの新たなアイデアを生み出す。
こうしたプログラムは、今後、地域の関係者や専門家、旅行事業者の皆さまと連携しながら、具体化を検討していきたい分野です。

時代が、私たちの目指してきた方向へ動き始めている
ガイアグループは、約20年前から、地域にあるものを生かし、人と人をつなぎ、地域全体で価値を生み出す仕組みづくりに取り組んできました。
当初から、現在のように「サステナブルツーリズム」や「ネイチャーポジティブ」といった言葉が広く使われていたわけではありません。
目の前にある地域の課題を解決しようと、一つひとつの実践を積み重ねてきた結果、今日のガイアグループの事業につながっています。
そして今、国内外の観光産業でも、自然を守ること、地域と共生すること、観光の恩恵を地域社会に還元することが、重要なテーマとして注目されています。
私たちは、この流れを新しい流行として捉えているわけではありません。
長年にわたり実践してきた地域づくりの方向性と、社会が求める観光のあり方が、少しずつ重なり始めている。
そのように受け止めています。
もちろん、私たちの取り組みも完成されたものではありません。
自然環境の保全についても、専門的な知見を取り入れながら、さらに学び、実践を深めていく必要があります。
だからこそ、同じ未来を目指す企業や団体、研究機関、地域の皆さまと、これから一層つながっていきたいと考えています。
JTBをはじめ、志を共にする企業・団体の皆さまと
ガイアグループは、これまでもJTBとの取引や、当グループ代表・相澤国弘が招かれて行った講演などを通じて、交流の機会をいただいてきました。
今回発表されたJTBとWWFジャパンの協働事業に、ガイアグループが参画しているわけではありません。
しかし、今回の取り組みが示す方向性には、私たちが蔵王で実践してきた地域共生型のまちづくりと通じるものがあります。
今後、こうした共通の問題意識を出発点として、新たな交流や協働の機会が生まれることを期待しています。
旅行会社、企業、教育・研究機関、環境保全団体、自治体、地域の事業者の皆さま。
それぞれの専門性や経験を持ち寄ることで、一つの企業だけでは実現できない、新しい地域づくりの可能性が広がります。
ガイアグループには、蔵王で積み重ねてきた実践の現場があります。
そして、まだ十分に活用されていない地域資源や、これから取り組むべき課題もあります。
自然を守りながら、地域に仕事を生み、人々の暮らしを支え、旅行者にも価値ある体験を提供する。
そのような持続可能な観光の未来を、志を共にする皆さまと一緒につくっていければ幸いです。
ないものを探すのではなく、あるものをつないでいく
ガイアグループが地域づくりの現場で大切にしてきた言葉があります。
「ないものを探すんじゃなくて、あるものをつないでいきましょう。」
自然も、建物も、文化も、人も。
地域には、まだ十分に生かされていない多くの資源があります。
大切なのは、それらを新たな価値へと結びつけていくことです。
自然を守ることが、地域の未来を守ることにつながる。
観光が、地域の暮らしを支える力になる。
そして、誰もが地域社会の中で役割を持ち、次の世代へ希望をつないでいく。
ガイアグループはこれからも、「蔵王福祉の森構想」を原点に、自然・福祉・観光・地域経済が共生する持続可能な地域づくりに挑戦し続けます。
蔵王から、持続可能な観光と地域共生の新しい可能性を。
私たちは、同じ未来を目指す皆さまとの出会いと協働を心より願っています。
関連情報
ガイアグループ公式サイト
https://www.nszao.co.jp/
ガイアリゾート公式サイト
https://gaia-resort.net/
参考情報
2026年10月14日付「JTBと世界自然保護基金、生物多様性保全と自然体験の両立モデル構築へ、『保全型エコツーリズム』を企業研修に」
※本記事は、JTBとWWFジャパンの協働事業を紹介するとともに、ガイアグループ独自の地域づくりの理念と今後の展望を発信するものです。両者の協働事業への参画や提携を発表するものではありません。
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