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2026.06.25

自然だけでは人は集まらない。地域との関係を育てる観光へ

― エコツーリズムの記事から考える、蔵王のこれから ―

2026年6月18日、アウトドアメディア「BRAVO MOUNTAIN」に、和歌山県龍神村でのエコツーリズムの実践を紹介する記事が掲載されました。

記事では、人口約2,800人の山村に移住した筆者が、熊野古道・奥辺路の再生を軸に、自然や文化を生かしたエコツアーづくりに取り組む中で得た学びが紹介されています。

その中で印象的だったのは、次のような問題提起です。

「自然が豊か」というだけでは人は集まらない。
参加者が求めていたのは、自然そのものではなく、その土地で暮らす人との出会いや価値観の変化だった。

これは、地方観光や地域づくりに取り組む私たちにとって、非常に重要な視点だと感じます。

蔵王にも、美しい森、温泉、農地、清流、四季折々の景観、そして豊かな食があります。

しかし、地域の価値は、自然資源そのものだけで完結するものではありません。

そこに暮らす人がいて、働く人がいて、地域を守ろうとする人がいる。

農業を続ける人、温泉を支える人、別荘地を管理する人、子どもや高齢者を見守る人、地域で新しい挑戦を始める人。

旅行者が地域を訪れる中で、こうした人々の営みや想いに触れることができるからこそ、旅は単なる消費ではなく、心に残る体験へと変わっていくのだと思います。

地域そのものに滞在する旅

ガイアグループが展開するGAIA Resortは、単に宿泊施設を提供する事業ではありません。

蔵王山水苑、京急エコーランド、遠刈田温泉街、ガイアヴィレッジ、ガイアファーム、さかい珈琲蔵王山水苑前店、そして仙台市や宮城県南に点在する様々な拠点を結び、地域全体を一つの滞在・交流空間として捉える取り組みです。

宿泊者は、森を歩き、温泉に浸かり、地域の食を楽しみ、農に触れ、地域の人々と出会います。

時には、過疎や空き家、農地や森林の維持、高齢化といった地域の現実にも触れることになるでしょう。

しかし、その「地域のリアル」に触れることこそが、旅の価値を深めます。

記事でも、自然体験に加えて、林業や農業の現状、耕作放棄地、山仕事の課題について地域の人の声を聞くことが、参加者の満足につながったと紹介されています。

私たちも、地域の課題を隠すのではなく、地域の未来を共に考えるきっかけとして伝えていくことが大切だと考えています。

「消費される観光」から「関係人口を育てる観光」へ

記事では、これからのエコツーリズムについて、「消費される観光」から「関係人口を育てる観光」への転換が重要であると述べられています。

一度訪れて終わるのではなく、

「また訪れたい」
「この地域を応援したい」
「地域の人とつながり続けたい」
「いつかここで暮らしてみたい」

と思ってもらえる関係を育てていくこと。

それは、ガイアグループが進める移住・二地域居住の支援や、地域の担い手づくりにもつながります。

GAIA Resortを訪れた方が、再び蔵王を訪れる。

地域の食や商品を選ぶ。

地域の活動に参加する。

二地域居住を始める。

そして、移住や起業、地域での新たな役割へとつながっていく。

そのような関係の積み重ねが、人口減少地域の未来を支える力になると私たちは考えています。

蔵王福祉の森構想と観光の役割

ガイアグループの地域づくりの根底には、「蔵王福祉の森構想」があります。

私たちは、

母なる農村を守りながら、高齢者も若者も、障害のある者も無い者も、誰しもが安心して暮らせるまちづくりを目指します。

そして、

役割を果たすことが、生きる力の源と捉え、誰しもが生活の中で、その人に相応しい役割を果たせるまちづくりを目指します。

という二つの理念を掲げています。

観光は、この理念を実現するための重要な手段の一つです。

旅行者が訪れることで、地域に新たな経済循環が生まれます。

地域の食、農業、宿泊、温泉、交通、清掃、ガイド、文化活動など、多様な仕事と役割が生まれます。

そして、地域の人々が自らの暮らしや仕事に誇りを持ち、訪れる人と交流することで、新たな関係人口が育っていきます。

アルベルゴ・ディフーゾという仕組み

ガイアグループは、イタリア発祥のアルベルゴ・ディフーゾ、そしてオスピタリタ・ディフーザの考え方を地域づくりに取り入れています。

これは、地域に点在する宿泊施設や飲食店、温泉、農地、商店、交流拠点、福祉・医療の仕組みを結び、地域全体を一つの宿泊・交流空間として捉える考え方です。

蔵王では、温泉を核としながら、観光、福祉、医療、農業、食、移住、教育をつなげる「温泉基盤型オスピタリタ・ディフーザ」の実践を進めています。

旅行者にとっては、地域の日常に触れる旅。

地域住民にとっては、自らの暮らしや仕事が新たな価値として見直される機会。

そして地域全体にとっては、経済と人のつながりを循環させる仕組みです。

Terminal aiを、新たな関係の出発駅へ

現在、遠刈田温泉街で整備を進めている「GAIA Resort Terminal ai」も、こうした考え方を象徴する拠点です。

かつて鉄道の終着駅があった遠刈田の地で、Terminal aiは、地域と世界を結ぶ新たな出発駅を目指します。

宿泊者、地域住民、移住希望者、学生、事業者、海外からの旅行者。

多様な人々が出会い、語り合い、地域との関係を始める場所。

それが、Terminal aiの役割です。

自然を楽しむことから始まり、地域の暮らしに触れ、人と出会い、地域の未来に関わっていく。

私たちは、そのような旅と関係を育てていきたいと考えています。

ガイアグループはこれからも、蔵王福祉の森構想の理念と、アルベルゴ・ディフーゾの仕組みを通じて、観光を地域の暮らしと結びつけ、誰もが安心して暮らし、役割を持って生きられる持続可能な地域社会の実現に取り組んでまいります。

【参考記事】

BRAVO MOUNTAIN「過疎の村でも『エコツーリズム』は成り立つのか?」

GAIA Resort 公式サイト

株式会社ガイア 公式サイト

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