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2026.08.27

国内宿泊旅行単価が約7万7,000円へ――「泊まる」を地域の暮らしと未来につなぐガイアグループの取り組み

観光庁が公表した「旅行・観光消費動向調査」2026年4~6月期の第1次速報によると、日本人の国内旅行消費額は、前年同期比11.7%増の7兆5,361億円となりました。

国内延べ旅行者数は3.3%増の1億4,958万人でしたが、旅行消費額はそれを大きく上回る伸びを示しています。

なかでも、宿泊旅行消費額は13.6%増の5兆9,578億円、宿泊旅行者数は6.4%増の7,743万人となりました。日帰り旅行者数が0.1%増にとどまる一方、宿泊を伴う旅行が国内旅行市場の成長を牽引しています。

また、宿泊旅行の1人1回当たり旅行単価は、前年同期比6.8%増の7万6,947円に上昇しました。

今回の結果は、旅行者の数だけではなく、一人ひとりが地域で過ごす時間と消費の広がりが、観光の価値を大きく左右する時代に入っていることを示しています。

旅行単価の上昇を、宿泊料金だけで捉えない

今回示された旅行単価には、宿泊費だけではなく、交通費、飲食費、買物代、観光施設や体験などの娯楽サービス費も含まれています。

つまり、宿泊旅行単価が約7万7,000円へ上昇したという結果を、「宿泊施設の料金が上がった」とだけ捉えるべきではありません。

大切なのは、旅行者が地域に滞在し、食事をし、買い物をし、その土地ならではの文化や自然を体験することで、地域全体に消費が広がっているという点です。

宿泊は旅行の目的地であると同時に、地域と旅行者を結ぶ入口です。

宿泊施設だけで消費を完結させるのではなく、地域の飲食店、生産者、商店、温泉、観光施設、文化、福祉、交通などへ人の流れを広げることができれば、旅行によって生まれた価値を地域の中で循環させることができます。

ガイアグループが重視しているのも、単に客室単価を高めることではありません。

その地域に滞在する理由をつくり、滞在時間を延ばし、地域のさまざまな人や場所との接点を増やすことです。

「ホテルの中」で完結させず、「まち全体」で迎える

一般的な大型ホテルでは、客室、フロント、レストラン、売店、温浴施設などが一つの建物の中に集約されています。

これに対して、イタリアで生まれたAlbergo Diffuso(アルベルゴ・ディフーゾ)は、地域に点在する空き家や歴史的建築物を客室として再生し、受付、飲食、商店、文化、体験などの機能をまちの中で結びます。

一つの建物をホテルにするのではなく、まち全体を一つの宿として捉える仕組みです。

旅行者が客室から外へ出て、地域を歩き、住民や事業者と出会い、その土地の日常に触れることで、宿泊による消費は地域全体へ広がります。

同時に、空き家の再生、商店の利用、地域雇用の創出、文化の継承、移住や二地域居住のきっかけづくりにもつながります。

宿泊を目的として終わらせず、地域に関わる入口へ変えること。それが、アルベルゴ・ディフーゾの重要な価値です。

蔵王で進める温泉基盤型Ospitalità Diffusa

ガイアグループが蔵王山水苑を中心に進めているのは、温泉を地域の生活基盤として位置づけたOspitalità Diffusa(オスピタリタ・ディフーザ)です。

蔵王山水苑には、広い地域に別荘や住宅、宿泊施設が点在しています。

そのため、徒歩で回遊できる範囲に機能を集約する従来型のアルベルゴ・ディフーゾとは異なり、温泉、宿泊、飲食、農業、福祉、医療、移住、雇用、地域交流など、地域に点在する機能を面的につなぐ仕組みを構築しています。

蔵王における温泉は、旅行者のためだけに存在する観光資源ではありません。

地域住民の健康を支え、人と人が集まり、見守りや交流が生まれる生活基盤です。さらに、福祉、医療、移住、二地域居住、コミュニティ形成とも結びつく、地域にとって重要な社会インフラでもあります。

この温泉を中心に、空き家や使われなくなった別荘を宿泊施設として再生し、飲食店、地域拠点、農業、文化、自然体験などを結ぶことで、旅行者の滞在を地域全体の価値へ転換していきます。

蔵王福祉の森構想と観光の役割

ガイアグループが進める「蔵王福祉の森構想」は、

「誰もが安心して暮らすことができる地域」

「誰もが地域の中で役割を持つことができる社会」

の実現を目指す地域づくりの構想です。

ここで重要なのは、福祉と観光を別々の分野として考えないことです。

旅行者が地域に滞在し、地域の食材を味わい、温泉を利用し、農業や文化に触れることは、地域の仕事と所得を生み出します。

その仕事を、高齢者、障害のある方、子育て中の方、移住者、若者など、それぞれの状況に応じて担うことができれば、観光は地域参加の機会にもなります。

地域の農産物を宿泊施設や飲食店で活用することは、地産地消と農業の持続可能性につながります。農福連携を通じて生産された農産物を旅行者へ届けることは、働く場と地域の物語を同時に生み出します。

飲食店や地域拠点に旅行者が訪れることで、住民との自然な交流も生まれます。繰り返し訪れる旅行者の中から、地域に愛着を持つ人、二地域居住を始める人、移住を考える人、地域の活動を支える人が現れる可能性もあります。

観光を一時的な消費で終わらせず、関係人口、移住、雇用、福祉、地域コミュニティへつなげることが、蔵王福祉の森構想における観光の役割です。

宿泊者数だけでは測れない、地域に残る価値

旅行市場が拡大しても、旅行者の消費が地域外へ流出すれば、地域の暮らしは豊かになりません。

だからこそ、今後の観光では、宿泊者数や客室稼働率だけではなく、

  • 地域の飲食店や商店を何人が利用したか
  • 地域産品がどれだけ購入されたか
  • 地域にどのような仕事が生まれたか
  • 空き家や遊休不動産がどれだけ再生されたか
  • 住民と旅行者の交流が生まれたか
  • 再訪、二地域居住、移住へつながったか
  • 高齢者や障害のある方を含め、地域で役割を持つ人が増えたか

という視点が必要です。

旅行単価を高めること自体が目的なのではありません。

旅行者が支払ったお金が、地域の事業者、生産者、住民の所得や仕事となり、空き家の再生や生活サービスの維持へ再投資されることが重要です。

その循環によって、旅行者の満足と地域住民の暮らしの豊かさを同時に高めることができます。

点ではなく面でつなぐGAIA Resortネットワーク

ガイアグループは、蔵王町だけで観光を完結させようとは考えていません。

仙台中心部、仙台港、蔵王町、村田町、川崎町、白石市、丸森町など、それぞれの地域が持つ自然、歴史、食、文化、産業をGAIA Resortの宿泊ネットワークでつなぎ、旅行者が地域を面で巡る仕組みを進めています。

蔵王に宿泊して角田市の田んぼアートやJAXA角田宇宙センターを訪れる。

村田町や川崎町から蔵王の温泉や食を楽しむ。

仙台港に宿泊し、仙台市内の観光から県南エリアへ足を延ばす。

こうした周遊が生まれることで、一つの観光施設だけでは生み出せない滞在時間と地域内消費が生まれます。

各地域の個性を失わせるのではなく、それぞれの物語を尊重しながら、宿泊によってつなぐ。それがGAIA Resortの目指す広域的な分散型宿泊の姿です。

成長を、地域の成熟へ導く

国内旅行消費額の増加は、観光産業にとって大きな機会です。

しかし、市場の成長がそのまま地域の持続可能性につながるわけではありません。

旅行者が増え、消費額が増える時だからこそ、その価値を地域の中へどのように残し、誰の仕事や役割へつなげ、将来の地域基盤へ再投資するのかが問われます。

ガイアグループは、宿泊業だけでも、不動産業だけでも、飲食業だけでもありません。医療や福祉も含め、それぞれの事業を一つの理念で結び、社会課題をビジネスの力で解決し、地域を持続可能な成長と成熟へ導くソーシャルディベロッパーです。

ガイアプランニング、ガイアディベロップメント、ガイアエステート、ガイアリゾート、ガイアフーズの各事業部を通じて、空き家を再生し、人の流れをつくり、地域の食と仕事を育て、暮らしを支える仕組みを構築してまいります。

宿泊旅行単価の上昇を、宿泊事業者だけの利益として捉えるのではなく、地域全体の価値を高める機会として生かすこと。

旅行者の滞在を、地域の仕事、福祉、交流、移住、そして次世代の暮らしへつなげること。

アルベルゴ・ディフーゾ、温泉基盤型Ospitalità Diffusa、そして蔵王福祉の森構想を通じて、観光による成長を地域社会の成熟へ導くことが、ガイアグループの使命です。

株式会社ガイア 代表取締役 相澤国弘

参考記事

トラベルボイス
「日本人の国内旅行消費額、4~6月の1人あたり旅行単価は8.2%上昇7.6万円に、総額12%増7.5兆円、旅行者数も3.3%増―観光庁」

https://www.travelvoice.jp/20260824-160363

GAIA Resort公式サイト

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日本アルベルゴ・ディフーゾ協会 極東支部