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2026.08.16

人口減少を「縮小」で終わらせない。

蔵王福祉の森構想から考える、これからの地域づくり

観光経済新聞は2026年8月11日付の「観国之光」で、総務省が公表した住民基本台帳に基づく人口動態調査を取り上げ、日本人の人口が1億2千万人を下回ったことと、それが旅行市場の縮小につながりかねないという問題提起をしています。

記事によれば、2026年1月1日現在の国内の日本人人口は1億1973万6483人で、前年比91万6744人の減少。減少は17年連続で、1億2千万人を下回るのは42年ぶりとされています。

さらに、生産年齢人口にあたる15~64歳も減少を続けており、人口が増えたのは東京都、千葉県、大阪府の3都府県のみ。一方、国内に暮らす外国人は初めて400万人を超えたと紹介されています。

人口減少は、観光だけの問題ではありません。

働く人が減る。

地域で消費する人が減る。

空き家が増える。

地域交通や商店、医療、福祉などの生活サービスを維持しにくくなる。

そして結果として、地域そのものの暮らしやすさが失われていく。

ガイアグループは、この問題を「観光客を増やせば解決する」とは考えていません。

人口減少社会に、これまでとは違うアプローチを

私たちが蔵王町を中心に進めてきた「蔵王福祉の森構想」は、

「誰もが安心して暮らせること」

そして、

「誰もが地域の中で役割を果たせること」

を基本理念としています。

人口減少社会で重要なのは、単純に人口を増やすことだけではありません。

今いる人が安心して暮らし続けられること。

高齢者にも役割があること。

障がいのある方にも働く機会があること。

子どもたちが地域とのつながりを持てること。

地域外の人が何度も訪れ、やがて地域と継続的な関係を持つこと。

そして、移住者、二地域居住者、旅行者、外国人など、多様な人々が地域に関わることのできる仕組みをつくること。

これが、私たちが考える人口減少社会へのアプローチです。

「人口」ではなく「地域との関わり」を増やす

人口減少社会では、住民票上の人口だけを見て地域の可能性を判断することには限界があります。

例えば、一年のうち数カ月を蔵王で暮らす二地域居住者。

毎年何度も地域を訪れるリピーター。

GAIA Resortに長期滞在しながら仕事をするデジタルノマド。

空き家や別荘を取得し、地域に拠点を持つ人。

地域の事業に参加する企業や大学。

そして海外から繰り返し訪れる旅行者。

こうした人たちは、必ずしもその地域の「人口」として統計に表れるわけではありません。

しかし、地域で食事をし、買い物をし、人と交流し、ときには働き、投資し、新たな関係を生み出していきます。

だからこそガイアグループは、定住人口だけではなく、二地域居住や関係人口、交流人口まで含めた「地域との関わりの総量」を増やしていくことが重要だと考えています。

空き家を「負の資産」から地域の入口へ

人口減少とともに増えていく空き家も、大きな地域課題です。

しかし、視点を変えれば、それは地域に新しい人を迎え入れるための資源にもなります。

ガイアグループでは、空き家や遊休不動産を再生し、GAIA Resortの宿泊施設、移住・二地域居住の受け皿、地域交流拠点などとして活用してきました。

これは単なる不動産再生ではありません。

空き家を再生することで、そこに人が滞在する。

人が滞在することで、飲食店を利用する。

地域の観光施設を訪れる。

農産物を購入する。

地域の人と交流する。

さらに、その土地を気に入った人が二地域居住や移住を考える。

一つの空き家の再生から、地域の中に新しい循環が生まれていきます。

観光を「消費」で終わらせない

観光経済新聞の記事が指摘するように、日本人人口の減少は国内旅行市場の縮小につながる可能性があります。

だからこそ、これからの観光は「より多くの人を一度だけ呼ぶ」という発想だけではなく、

「より深く地域と関わってもらう」

という発想が必要になります。

数時間の観光から、一泊へ。

一泊から、連泊へ。

連泊から、長期滞在へ。

長期滞在から、二地域居住へ。

二地域居住から、移住や事業参加へ。

GAIA Resortがアルベルゴ・ディフーゾ、オスピタリタ・ディフーザの考え方を取り入れている理由も、ここにあります。

一つのホテルの中で旅行を完結させるのではなく、地域全体を宿泊空間として捉え、旅行者が温泉、飲食店、商店、自然、農業、歴史文化、人々の暮らしと接点を持つ。

観光を入口に、地域との関係を少しずつ深めていく。

それが、人口減少社会における観光の新しい役割ではないでしょうか。

外国人が「訪れる地域」から「関わる地域」へ

今回の記事では、国内に暮らす外国人が初めて400万人を超えたことも紹介されています。

これも、これからの地域づくりを考えるうえで重要な変化だと思います。

ガイアグループでは、GAIA Resortを通じて海外から多くのお客様をお迎えするとともに、台湾やイタリアをはじめとした海外との交流も進めてきました。

外国人を単にインバウンド旅行者として捉えるのではなく、

地域を知る人。

地域を好きになる人。

何度も訪れる人。

将来は地域で暮らしたり、仕事をしたり、事業に関わったりするかもしれない人。

そんな長い関係性の中で捉えることが重要です。

人口減少社会だからこそ、地域はより開かれ、多様な人々を受け入れられる場所になっていく必要があります。

観光・不動産・福祉を分けて考えない

ガイアグループは、宿泊業だけの会社ではありません。

不動産会社だけでもありません。

飲食業だけでもありません。

医療や福祉だけでもありません。

それらを一つの理念でつなぎ、社会課題をビジネスの力で解決しながら、地域を持続可能な形へ導いていく。

私たちは、その役割を「ソーシャルディベロッパー」と位置づけています。

人口減少という問題も同じです。

空き家問題だけを解決しても十分ではありません。

観光客だけを増やしても十分ではありません。

移住者だけを増やしても十分ではありません。

福祉だけを整備しても十分ではありません。

住まい、仕事、観光、食、医療、福祉、教育、地域コミュニティ。

それぞれを一つの地域の中でつなぎ直す必要があります。

蔵王福祉の森構想は、まさにそのための構想です。

「人口が減る地域」から、「関わる人が増える地域」へ

日本の人口減少を止めることは、一企業だけでできることではありません。

しかし、人口が減少する中でも、地域との関わりを増やすことはできます。

一人の人が一年に何度も訪れる。

都市と地方の二つの地域で暮らす。

旅行者が地域のファンになる。

空き家が新しい住まいや宿になる。

高齢者や障がいのある方が地域の中で役割を持つ。

外国人が観光客としてではなく、地域の仲間として関わる。

子どもたちが自分の地域に誇りを持つ。

そうした関係を一つずつ増やしていくことが、人口減少時代の地域づくりではないでしょうか。

ガイアグループはこれからも「蔵王福祉の森構想」を理念の中心に据え、人口減少を単なる「縮小」と捉えるのではなく、新しい地域のあり方をつくる機会として向き合ってまいります。

人口が減っても、地域の価値まで減らす必要はありません。

むしろ、そこに暮らす人、訪れる人、関わる人、それぞれが役割を持つことで、地域はこれまでとは違った形で豊かになれる。

それが、私たちガイアグループが目指す地域の未来です。

【参考・関連リンク】

観光経済新聞
「【観国之光 549】日本人1億2千万人割れ 旅行市場の縮小を懸念 観光経済新聞 論説委員 内井高弘」
https://www.kankokeizai.com/2608110800kks/

ガイアグループ公式サイト
https://www.nszao.co.jp/

GAIA Resort公式サイト
https://gaia-resort.net/

ガイアグループ お問い合わせ
https://www.nszao.co.jp/contact/