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2026.08.31

【第2回】蔵王から東北へ――蔵王福祉の森構想とアルベルゴ・ディフーゾが育てる持続可能な観光地域

前回は、東北観光推進機構が2026年度から始動した第6期中期計画をもとに、県境を越えた広域観光、地域経済循環、インバウンド、高付加価値化、データ活用、人材育成についてご紹介しました。

今回は、ガイアグループが東北観光の発展に提供できる独自の地域モデルとして、「蔵王福祉の森構想」と「アルベルゴ・ディフーゾ」、そして蔵王で実践する温泉基盤型Ospitalità Diffusa(オスピタリタ・ディフーザ)についてご紹介します。

蔵王福祉の森構想が示す地域の未来

蔵王福祉の森構想は、

「誰もが安心して暮らすことができる地域」
「誰もが地域の中で役割を持つことができる社会」

の実現を目指す、ガイアグループの地域づくりの理念です。

地域には、子ども、高齢者、障がいのある方、子育てや介護を担う方、移住者、別荘利用者、地域事業者、生産者、旅行者など、多様な人々が関わっています。

一人ひとりが地域の中で安心と役割を感じられる環境をつくることが、持続可能な地域社会の基盤になります。

ガイアグループは、ガイアプランニング、ガイアディベロップメント、ガイアエステート、ガイアリゾート、ガイアフーズの各事業部を一つの理念で結び、社会課題をビジネスの力で解決し、地域を持続可能な成長と成熟へ導くソーシャルディベロッパーです。

空き家・別荘の再生、宿泊施設の運営、飲食、農業、商業、福祉、医療、移住支援、防災、教育、地域コミュニティを横断し、地域全体に人の流れ、仕事、交流、役割、経済循環を生み出しています。

理念を地域に実装するアルベルゴ・ディフーゾ

蔵王福祉の森構想という理念を、観光と地域経営の仕組みとして実装しているのが、アルベルゴ・ディフーゾとOspitalità Diffusaです。

アルベルゴ・ディフーゾは、地域に点在する空き家や既存建築を客室などに活用し、地域全体を一つの宿泊空間として運営するイタリア発祥の地域再生モデルです。

建物を新しく集約して造るのではなく、地域に残る建物、歴史、文化、食、商店、人々の暮らしを受け継ぎながら、地域全体で旅行者を迎えます。

旅行者は地域を歩き、食事を楽しみ、買い物をし、人と出会い、その土地の暮らしや物語に触れます。

この仕組みにより、空き家の再生、歴史的景観の継承、地域事業者の売上、雇用、交流人口、関係人口の創出が相互につながります。

世界初のOspitalità Diffusa認証

ガイアリゾート蔵王山水苑は、2025年、アルベルゴ・ディフーゾ・インターナショナルから、世界初となるOspitalità Diffusaの認証を受けました。

Ospitalità Diffusaは、宿泊施設、飲食店、商店、農園、温泉、自然、文化、地域住民など、地域に点在する多様な資源を面として結び、地域全体を一つの滞在空間として育てる仕組みです。

蔵王山水苑を中心とするエリアでは、空き家や別荘を宿泊施設として再生し、温泉、地域の飲食店、農業、商店、福祉、移住、防災、教育、地域コミュニティとの連携を進めています。

地域の暮らしを支える機能と、旅行者の滞在を支える機能を一つの地域空間の中で結ぶことが、蔵王のOspitalità Diffusaの特徴です。

温泉を地域生活の基盤として捉える

蔵王のモデルを特徴づけているのが、温泉です。

温泉は、旅行者に癒やしと特別な滞在体験を提供します。同時に、地域住民の健康、福祉、交流、見守り、移住、コミュニティ形成を支える地域基盤としての役割を持っています。

ガイアグループは、温泉を中心に、宿泊、飲食、商業、農業、福祉、医療、移住、防災を結び、住民と旅行者が同じ地域資源の価値を共有できる環境を育てています。

この温泉基盤型Ospitalità Diffusaは、観光と地域住民の暮らしを一体的に捉える、蔵王独自の地域モデルです。

旅行者をtemporary residentとして迎える

Ospitalità Diffusaでは、旅行者を地域の暮らしを一時的に共有する「temporary resident(一時的な住民)」として迎えます。

旅行者は宿泊施設で過ごし、温泉に入り、地域の食を味わい、森や温泉街を歩き、生産者や商店、地域住民と出会います。

その体験を通じて地域への理解と愛着が育ち、再訪、口コミ、地域産品の購入、二地域居住、移住、地域活動への参加など、新しい関係へ発展していきます。

観光から地域への入口をつくり、宿泊から滞在へ、滞在から交流へ、交流から愛着へ、愛着から継続的な関係へとつなぐことが、ガイアグループの目指す観光地域づくりです。

観光から生まれる地域循環

ガイアグループは、観光によって生まれた人の流れと消費を、地域の産業や暮らしへ循環させています。

空き家や別荘の再生が宿泊施設を生み、旅行者が地域を訪れます。旅行者が地域の飲食店や商店を利用し、農産物や地域産品を購入することで、地域事業者や生産者へ利益が届きます。

事業の成長が雇用や所得を生み、子育て中の方、介護を担う方、障がいのある方、副業として関わる方など、多様な地域人材の活躍へつながります。

地域の暮らしが豊かになり、住民の安心、誇り、愛着が育つことで、旅行者を迎える地域の魅力も高まっていきます。

この循環が、蔵王福祉の森構想とOspitalità Diffusaを結ぶ重要な仕組みです。

蔵王の実践を東北の広域観光へ

東北各地には、空き家、温泉、農山漁村、歴史的建築、伝統文化、食、自然、人々の暮らしなど、多くの地域資源があります。

これらを県境や市町村境を越えて結び、それぞれの地域の物語を尊重しながら、東北全体で旅行者を迎える仕組みをつくることが、持続可能な広域観光につながります。

ガイアグループは、蔵王福祉の森構想、アルベルゴ・ディフーゾ、温泉基盤型Ospitalità Diffusaの実践を生かし、東北観光推進機構をはじめ、自治体、地域DMO、交通事業者、観光事業者、生産者、商業者、教育・福祉関係者との連携を深めていきたいと考えています。

東北各地の地域資源を一つの物語として国内外へ届け、旅行者の感動を地域の産業、雇用、福祉、暮らし、誇りへ還元する。

ガイアグループは、ソーシャルディベロッパーとして、住む人、働く人、訪れる人、未来を担う人の豊かさをつなぎ、東北全体の持続可能な観光地域づくりに貢献してまいります。

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