NEWS
詳細交流を価値に変え、地域から世界へ――JTB新社長の成長戦略から考える、ガイアグループの地域づくり
観光産業ニュース「トラベルボイス」に、JTB代表取締役社長執行役員・青海友氏へのインタビューが掲載されました。
記事では、JTBが掲げる長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」をもとに、グローバル事業の再編、訪日インバウンド事業の強化、地域の宿泊・体験素材を世界へ届ける仕組み、AI時代におけるリアルな交流の価値など、これからの観光産業を考えるうえで重要な方向性が示されています。
これらの考え方は、ガイアグループが地域で実践してきた事業や、今後目指す全国展開とも深く重なります。

「交流」を人々の豊かさへつなげる
JTBは、2035年の社会を「交流が人々の豊かさ、Well-beingの拠りどころとなる社会」と捉え、「新交流時代のフロンティア企業」を目指しています。
2035年度までに取扱額2兆5,000億円、売上総利益5,000億円、営業利益750億円を目標とし、グローバル利益比率を50%へ引き上げる方針です。
ここで示されている「交流」は、人を移動させる仕組みから、人と人、人と地域、地域と世界を結び、新しい価値を生み出す事業へと広がっています。
ガイアグループも、旅行者を地域の外から来る消費者として捉えるのではなく、その土地の暮らしや文化に触れ、地域の人々と関係を築く「一時的な住民」として迎える地域づくりを進めています。
その交流から地域への理解や愛着が育ち、再訪、長期滞在、二地域居住、移住、地域への投資や事業参加へと関係が深まっていきます。
組織の枠から、地域の課題を起点とする事業へ
青海社長は、従来の組織区分にとらわれず、一つひとつの事業を直接見ながら、顧客の課題に応じて事業やサービスを柔軟に組み合わせる考えを示しています。
旅行販売、イベント、地域開発、法人向けソリューションなどの機能を、案件や課題に合わせて横断的に編成する経営です。
ガイアグループには、次の5つの事業部があります。
- ガイアプランニング
- ガイアディベロップメント
- ガイアエステート
- ガイアリゾート
- ガイアフーズ・ガイアファーム
地域の課題に対し、企画、不動産、建設・再生、宿泊、飲食、農業などの機能を適切に組み合わせます。さらに、医療法人、社会福祉法人、地域事業者、自治体、大学、金融機関などとの連携によって、医療、福祉、雇用、移住、防災、教育、地域交流までを一つの地域づくりとして結んでいます。
空き家の増加という課題には、不動産売買や管理、改修、宿泊施設への再生、移住者の住まい、地域交流拠点としての活用など、物件と地域の状況に応じた方法を組み合わせます。
買い物環境の維持という課題には、ファミリーマート蔵王遠刈田店を直営し、暮らし、観光、交流、防災を支える地域インフラステーションとして育てる取り組みを進めています。
地域の課題を起点に必要な機能を編成することが、ソーシャルディベロッパーとしてのガイアグループの事業構造です。





地域の宿泊と体験を、世界の市場へ
JTBが訪日事業の新たな柱として掲げているのが、「仕入れ機能の事業化」です。
全国の宿泊施設から客室を仕入れてきたネットワークと、地域と連携して造成した体験コンテンツを、海外の旅行会社や販売網へ提供する構想です。
地域で生まれた宿泊や体験の価値を、販売先となる具体的な国や顧客層まで一体的に設計し、世界へ流通させる考え方です。
ガイアリゾートも、地域に点在する空き家、別荘、古民家、歴史的建築物などを宿泊施設として再生し、一つのネットワークで結んでいます。
蔵王、白石、村田、川崎、丸森、仙台など、宮城県内の地域を面としてつなぎ、それぞれの自然、温泉、歴史、食、農業、文化、人々との交流を宿泊体験として提供しています。
地域にある資源を、海外の旅行会社、オンライン旅行会社、DMC、宿泊・観光事業者などの販売網と接続することで、小さな地域の魅力を世界の具体的な市場へ届けることができます。
地域側が宿泊施設や体験をつくり、販売側が世界の旅行者へ届ける。両者が長期的な関係を築くことで、地域に継続的な人の流れと経済が生まれます。
温泉を基盤とするオスピタリタ・ディフーザ
蔵王山水苑を中心とする地域では、温泉を暮らしと滞在の基盤として、宿泊施設、飲食店、商店、農業、医療、福祉、移住、雇用、防災、地域交流を結ぶ「オスピタリタ・ディフーザ」を展開しています。
地域全体を一つの宿泊施設のように捉え、客室は地域に点在する建物、廊下は地域の道路、レストランは地域の飲食店、ロビーは人々が集う交流拠点という考え方です。
旅行者は地域の日常に一時的な住民として加わり、温泉に入り、地域の店で買い物をし、地域の食を味わい、住民や事業者と交流します。
ファミリーマート蔵王遠刈田店は暮らしと滞在に必要な商品やサービスを提供し、さかい珈琲 蔵王山水苑前店は食と交流、子ども食堂、高齢者の見守り、農福連携を担います。
地域に点在する拠点がそれぞれの役割を果たし、連携することで、住民にも旅行者にも安心できる地域環境が形成されます。
AI時代に高まる、リアルな交流の価値
トラベルボイスの記事では、青海社長が「AIが生活に入れば入るほど、逆にリアルな交流の価値は上がる」との考えを示しています。
デジタル技術やAIは、予約、翻訳、顧客分析、情報発信、業務効率化など、多くの場面で観光産業を支えます。
その技術を活用しながら、地域で人と出会い、会話を交わし、一緒に食事をし、その土地の暮らしに触れる体験が、旅の記憶をより豊かなものにします。
地域の人々が自然に交わす挨拶、飲食店での会話、農業や林業の体験、地域行事への参加、温泉で過ごす時間には、その場所で生まれる固有の価値があります。
現場のスタッフが旅行者の表情や行動から思いを感じ取り、その人に合った地域の魅力を伝える力も、ガイアリゾートが大切にするホスピタリティです。
AIと人の感性を組み合わせることで、地域の魅力をより広く発信し、一人ひとりの心に残る滞在をつくることができます。
「蔵王福祉の森構想」が目指す地域の成熟
ガイアグループでは、
「誰もが安心して暮らすことができる地域」
「誰もが地域の中で役割を持つことができる社会」
の実現を目指し、「蔵王福祉の森構想」を進めています。
観光によって人を呼び込み、宿泊や飲食によって地域経済を動かし、不動産や建設によって空き家を再生し、農業、医療、福祉、移住、雇用、防災、地域交流へと価値を循環させます。
旅行者、地域住民、移住者、二地域居住者、別荘利用者、地域事業者が、それぞれの立場から地域に関わり、役割を持つ社会を育てていきます。
交流から生まれた経済を地域の安心や福祉へつなぎ、経済成長を社会の成熟へ導くことが、ガイアグループの目指す地域づくりです。
蔵王から全国へ、地域と世界を結ぶ
JTBが掲げる、地域のネットワークと世界の販売網を結ぶ戦略は、これからの日本の観光と地方創生に大きな可能性を示しています。
ガイアグループも、蔵王で育ててきたオスピタリタ・ディフーザと蔵王福祉の森構想を基盤に、白石、村田、仙台をはじめとする地域へネットワークを広げています。
今後は、地域ごとの歴史、文化、産業、自然、社会課題に向き合いながら、それぞれに適した分散型の宿泊と地域づくりを展開し、全国の地域を結んでまいります。
地域に眠る建物を再生し、人の役割を生み出し、暮らしの安心を整え、そこで生まれる体験を国内外へ届ける。
ガイアグループは、社会課題をビジネスの力で解決し、その先に生まれる多くの笑顔を目指して、地域と世界を結ぶ新しい交流を創造してまいります。
関連リンク
トラベルボイス
「JTB新社長が描く成長戦略を聞いてきた、グローバル体制の再編から『日本』の位置づけ、訪日事業の3本柱まで」
https://www.travelvoice.jp/20260907-160314
JTBグループ公式サイト
https://www.jtbcorp.jp/jp/
株式会社ガイア公式サイト
https://www.nszao.co.jp/
蔵王福祉の森構想
https://zao-fukusi.jp/
ガイアリゾート公式サイト
https://gaia-resort.net/