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詳細― 蔵王福祉の森構想と、アルベルゴ・ディフーゾ“地域運営の仕組み”を共有する視察と対話 ―
2026年1月、千葉県内の行政機関、関係団体、大学関係者の皆様が、蔵王町を中心に展開されている「蔵王福祉の森構想」およびアルベルゴ・ディフーゾのまちづくりを視察するため、蔵王を訪れました。
今回の先進地視察は、単なる施設見学ではなく、地域を実際に歩き、滞在し、食を共にしながら、構想と仕組みを現場で体感することを目的とした行程で実施されました。点在する宿泊施設や地域拠点、既存建築の利活用の様子、受入体制の考え方などを通じて、「地域全体をひとつの宿泊・生活空間として捉える」アルベルゴ・ディフーゾの実装を共有しました。
ガイアグループでは、こうした先進地視察を行政機関や団体、大学などの立場を問わず積極的に受け入れ、実践知を開かれた形で共有することを大切にしています。地域づくりは一地域で完結するものではなく、学び合い、つながり合うことで初めて全国へと波及していくと考えているからです。
地域運営の「仕組み」としてのアルベルゴ・ディフーゾ
視察2日目には、ガイアグループ代表の相澤国弘が登壇し、講演および意見交換の時間を設けました。
登壇した相澤の講演内容は以下のとおりです。
蔵王福祉の森構想が生まれた背景と、約20年以上にわたる実践の歩み。
アルベルゴ・ディフーゾを、宿泊手法ではなく「地域運営の仕組み」として捉える視点。
別荘地再生や空き家活用を通じた、関係人口・移住・雇用創出の実装プロセス。
医療・福祉・農業・観光を分断せず、理念で統合する地域経済の設計。
空き家や遊休資産の「欠点」を「価値」に転換する考え方とリスク分散の方法。
直営に頼らず、地域主体で持続するための運営モデルと役割分担。
一地域完結ではなく、地域間連携・相互交流によって広がる次のフェーズ。
講演では、施設単体の説明ではなく、「なぜこの形に至ったのか」「どのように地域との合意形成を積み重ねてきたのか」という、理念形成から社会実装に至るプロセスを中心にお話ししました。
別荘地の衰退から始まった、持続可能な地域づくり
相澤が語った原点は、20年以上前、別荘地の衰退に直面した現場にあります。管理不全、空き家の増加、地域コミュニティの希薄化。そうした状況の中で、「地域を持続させるためには何が必要なのか」という問いから、蔵王福祉の森構想は始まりました。
当初から重視してきたのは、事業ありきではなく、人の声に耳を傾けることでした。高齢化の進行、障害のある家族を抱える世帯、将来への不安。そうした声を丁寧に受け止め、「誰もが役割を持ち、安心して暮らし続けられる地域」を目指す理念が形成されていきました。
空き家・遊休資産を「地域の力」に変える
講演では、医療、福祉、農業、観光、食といった分野を個別に捉えるのではなく、理念を軸に有機的に連携させることで、地域全体の循環を生み出してきたプロセスも共有されました。
空き家や既存建築は、単なる課題ではなく、視点を変えれば地域資源となります。すべてを新しく整えるのではなく、その土地ならではの個性や制約を価値として再編集し、ニッチな需要と結びつけていく。さらに、所有と運営を分けるなど、リスクを分散させる設計によって、無理のない持続性を確保してきました。
地域から地域へ、広がる連携と相互成長
今回の視察は、ガイアグループの取り組みを一つの成功事例として紹介することが目的ではありません。それぞれの地域が、自らの課題と向き合い、独自の形で実装していくためのヒントを共有し、地域同士が学び合う関係を育てることにあります。
ガイアグループは、こうしてつながった地域に対して、今後も積極的に連携や投資を行っていきます。人的交流や事業連携を通じて相互交流を促進し、双方の経済成長に貢献していくことを目指しています。その第一歩として、連携地域の宿泊施設や滞在プログラムを、ガイアリゾートのネットワークを通じて発信・販売していく取り組みも進めていく予定です。
おわりに
蔵王福祉の森構想、そしてアルベルゴ・ディフーゾのまちづくりは、一地域で完結するものではなく、地域から地域へと広がっていく「持続可能な地域社会のプラットフォーム」です。
寒い蔵王の地にお越しいただいた皆様に、改めて心より感謝申し上げます。今回のご縁が、それぞれの地域において、新たな実践と物語を生み出していくことを願っております。


