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詳細ガイアの理念を学術で深め、地方から未来の価値を創発する
2025年4月3日、私は、宮城大学大学院 事業構想学研究科 博士前期課程に入学いたしました。
これまで社会人としての職務の傍ら、5年間非常勤講師として同大学の事業構想学群にて「地域産業政策」を担当してまいりましたが、この春からは一人の大学院生として、あらためて地域と向き合い、理論と実践の両輪での探究に取り組みます。
地方再生の現場から、研究の最前線へ
私は現在、株式会社ガイアの代表として、宮城県主に蔵王、白石、川崎、村田、丸森、そして仙台を拠点に、観光・福祉・農業・不動産など多分野を統合した「持続可能な地域社会の構築」に挑んでいます。
その中核をなすのが、蔵王をモデル地域として行っている「空き家の収益化」と「農福連携」「観光による交流人口の創出」を柱とした《蔵王福祉の森構想》。この構想には医療法人社団リラの会、社会福祉法人芽吹、社会福祉法人はらから福祉会などの医療福祉の法人、みやぎ蔵王別荘協議会や蔵王農泊振興協議会などの地域団体、そして自治体や金融機関など多様なメンバーが参加しております。
空き家を活用した地域分散型宿泊施設(アルベルゴ・ディフーゾ)として展開する「ガイアリゾート」には、年間約8万人の宿泊者が訪れ、その60%が海外からのゲストです。これは蔵王町の年間宿泊者の約30%を占める数字でもあり、空き家が地域再生のエンジンとなっていることを示しています。
研究テーマ:「空き家の収益化が与える農業及び地域福祉への連関効果」
大学院での研究テーマは、「空き家の収益化が与える農業及び地域福祉への連関効果(地域資源のデットエクイティスワップ)」。
具体的には以下のような連関性を、蔵王福祉の森構想を事例として定量的に分析・可視化し、持続可能な地域社会のモデルを構築することを目的としています。
• 空き家活用と観光収益の創出
• 移住者・起業家の増加との相関
• 耕作放棄地の再活用と体験農業との関係
• 福祉担い手人口の増加との連動性
• 必要な地域資源投資額・教育費・人材数のモデル化
ガイアの理念:調和と創発による社会構築へ
私たちガイアの社名は、ギリシャ神話の大地の女神「ガイア」に由来し、地球全体をひとつの生命体と捉える“ガイア理論”に共感しています。
この理論は、英国の科学者ジェームズ・ラブロックと微生物学者リン・マーギュリスにより発展したもので、自然と生命が相互作用しながら調和を保ち、自己組織的に進化していく「創発性(エマージェンス)」を説明するものです。
この「創発」の思想こそ、私たちが地域で進めているまちづくりの哲学的基盤であり、
異なる人・資源・価値が出会い、新たな秩序と意味を生み出す地域社会を目指す原動力でもあります。
次世代を見つめ、学び続けるリーダーシップ
私たちが掲げる蔵王福祉の森構想の理念には、「母なる農村を守りながら、高齢者も若者も、障害のある者もない者も、誰しもが安心して暮らせるまちづくり」を掲げ、その根底には
人間の尊厳・信頼・役割を見つめ直し、愛・感謝・共生・調和といった普遍的な価値を大切にするという想いが込められています。
それはまさに、“人間がどう生きるべきか”という哲学的な問いに対するガイアの答えです。
そして私は、リーダーこそが率先して学び続ける姿勢を持つことが、後進の育成において最も重要であると信じています。
成長を探求し続ける姿を見せること。それが次世代にとっての“生きた教育”であり、地域を担う人材が育つ土壌になると確信しています。
結びに ─ 地域から、世界へと響く知を創る
「地方の未来を、地方からつくる」
ガイアの理念と共に、私はこれからも持続可能な地域社会の構築に挑みながら、
その取り組みを理論として可視化し、他地域でも活用可能なモデルへと昇華させていきます。
研究と実践の融合によって、地域課題の解決に貢献する“創発的知”を、ここ宮城から生み出してまいります。
株式会社ガイア 代表取締役社長